仕事や親の介護、恋人との関係などでトラブルが続いたり、先の事が不安だと感じたりしていませんか。
転職を考えている、最近病気をしたなど、転機が訪れたり災難が起こったりすると心配になってきますよね。
今回紹介するのは、そんな方に訪れてほしいお寺、奈良県明日香村にある岡寺です。
岡寺のご本尊・如意輪観音さまは物事を叶えてくれる意味を持ち、お寺には厄除けのご利益があります。
迷いの世界から救い出してくださるような、癒しの力を持った観音さまです。
心が癒されると本来の力が発揮出来るため、結果的に厄除けに繋がるのではないでしょうか。今回はそんな岡寺の由緒や見どころについてご紹介します。
お寺でパワーをもらって、安心して生活が送れると良いですね。
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厄除けの由来は龍退治?!岡寺の由緒
663年(天智天皇2)、草壁皇子が住んでいた岡の宮を仏教道場に改め、義淵僧正から下賜されたお寺です。
義淵は優れた法力の持ち主でした。
ある時、岡寺近くに農地を荒らす悪い龍がいましたが、義淵の手によって小池に封じ込め、石で蓋をしました。
このお話が岡寺の別名、「龍蓋寺」の由来です。災いを取り除くことから、厄除け信仰の場になりました。
また、観音さまが三十三の化身によって衆正を救済するという信仰が元になっている、西国三十三か所観音霊場のひとつです。
龍蓋池は、現在の境内にも残っています。
左側が、龍退治をする義淵の石板です。間近で見ると迫力がありました。龍蓋池については、小さいながらも霊気を宿しているような、不思議パワーを感じる池でした。
明日香村の山の中腹に位置する岡寺に行くには、上り坂を登らなければいけません。
岡寺を訪れた日は気温34度!暑さのせいか拝観者はまばらでした。ゆっくりと境内を見て回れますが、熱中症になる恐れもありますので、真夏は水分をしっかりとっておきましょう。
苦労して坂道を登ってきた分、お寺に着いた時には大きな達成感が味わえます。岡寺は呼んでくださるお寺なのかもしれません。
美しい花々を見た時、まるで極楽浄土に着いたかのような大きな安堵感を得ました。
苦しい道も観音さまに会うための修行で、厄を落としながら歩いてきなさいといった意味もあるのかもしれませんね。
大和の風景とともに、万葉歌を紹介した文庫本。もちろん美しい明日香村の花々も紹介されています。レビュー評価も高くておすすめの本です。↓
岡寺の見どころ!心を癒してくれる草花や仏さま
岡寺を代表する見どころ!美しい花々
岡寺といえば、別名「花の寺」としても有名です。
岡寺 花や紅葉の見ごろ(開花時期は、年によって変わる)
・桜・・4月上旬~中旬
・石楠花・・4月中旬 ~ 5月上旬
・天竺牡丹(ダリア)・・4月下旬~5月上旬
・紫陽花・・5月下旬~7月上旬
・蓮・・7月上旬~8月上旬
・紅葉(モミジ、カエデなど)・・11月中旬~12月上旬
特におすすめの見どころは、約3,000株の石楠花と気品があふれる花・ダリアです。
石楠花は、開花に合わせて石楠花まつりが行われています。仁王門周辺から本堂、そして奥の院にかけて、たくさんの石楠花が輝かんばかりに咲き誇っている、すてきなイベントです。
岡寺のダリアは、手水舎が人気ですね。ダリアとビー玉の演出が涼しげで、手を洗う場所だと忘れてしまうほど見入ってしまいますよ。
境内のいたるところに、写真のようにきれいな鉢が置かれています。
よく見ると、あまりダリアが萎れていません。毎日状態を見て、水替えされているのでしょうか。とても手入れが行き届いていました。
その他にも、蓮の花が見ごろを迎える頃でした。春には桜、そして秋には参道いっぱいにモミジやカエデが色づき、境内の美しさが増します。
お寺にお花って相性が良いですよね。安楽の世界に来たかのような気持ちになり、疲れた心が癒されます。
邪気を取り払ってくれる癒しの見どころ!観音
ご本尊・・如意輪観音像(重要文化財)
脇侍・・不動明王・愛染明王
如意輪観音さまは、日本最大の塑像で、弘法大師が日本・中国・インドの土を掛け合わせて造ったものです。高さは4.85メートルもあるため、本堂に入った瞬間その大きさに圧倒されます。
本堂の天井には金色の天蓋が吊るされており、とても煌びやかです。しかし、観音さまはそれ以上に美しさを放っておられました。
「よくがんばって来ましたね」
そう優しく言ってくれているような気がしました。厄を取り払い、苦しみの世界から救ってくれるような、大きな力を感じる観音様です。
本堂奥には岡寺創建当時の瓦や役行者像など、貴重な寺宝が展示されている内々陣があります。
印象的だったのが如意輪観世音菩薩・半跏思惟像で、元々、ご本尊である観音さまの胎内に納められていました。
現在拝観できるのは御分身ではありますが、小さいながらも神々しい雰囲気を放つ美仏です。
そのほか、本堂内々陣御扉特別開扉時は、観音さまのお姿が刻まれた結縁如意宝珠が設置されます。
観音様の近くまで行き、ご縁を結べる貴重な機会ですので、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。筆者は間近で見て、あまりの美しさに感激し涙が出てしまいました。
本堂内陣一般参拝・・毎年4月~12月(注:1月~3月は『やくよけ法要』のため内陣拝観はできません)
本堂内々陣御扉特別開扉・・毎年春と秋に開催(日程は年によって異なる)
緑の樹々に囲まれた心地良い穴場スポット!奥の院
「奥の院=お墓かな。時間もないし今日はいいかな。」
そうおっしゃる前に、ちょっとお待ちください。
奥の院には弘法大師ゆかりの厄除け水・瑠璃井や、義淵僧正の廟塔である宝篋印塔など、見どころがたくさんあります。さらに緑が青々と美しい、癒しのおすすめの見どころです。
土の香りや美味しい空気、鳥の声など、都会では味わえないような体験ができますよ。
湿度は高めですが、ゆっくり散策しながら登っていけるのでさほど疲れは感じません。むしろ、気持ちが落ち着いていくのを実感し、自然に感謝の気持ちがわいてくるような場所です。
不安や心配事を抱えておられる方は、ぜひ奥の院まで足を運んでみてはいかがでしょうか。
暗闇の中に射す光!石窟は隠れた見どころ
奥の院の稲荷社右側にある、弥勒菩薩さまがいらっしゃる石窟は、岡寺の隠れた見どころです。入り口や中の天井が低いので、頭をぶつけないよう気を付けてくださいね。
洞窟のようなところに入って行くので、初めて来られた方は少々怖さを感じるかもしれません。
中は外界よりも温度が低くヒンヤリとしており、狭くて暗い道を3メートルほど進みます。突き当りにいらっしゃるのが弥勒菩薩さまです。
弥勒菩薩さまにお会いすると、それまで抱えていた不安や恐怖から解放されて、安堵の気持ちでいっぱいになりました。
規模は違いますが、「胎内めぐり」や「お堂めぐり」に似ているかもしれません。暗闇に現れる救いの存在が、どれだけありがたいものかを実感できる場所です。
暗い所が苦手な方にはおすすめできませんが、貴重な体験ができますので、ぜひ訪れてみてください。
心癒されるスポット!明日香の景色と神秘的な山々
境内にある見晴らし台のような場所には、軒先に荘厳として吊るされている琴が珍しい、三十宝塔があります。
三十宝塔は、明日香村の平地から見ても確認できるほど大きく、岡寺のシンボル的存在です。
大変歴史的価値の高い三十宝塔ですが、さらに注目していただきたいのはその場所から見える絶景です。
パワースポット・明日香村はもちろん、葛城山や金剛山など関西を代表する2山が一望できます。
明日香から見る葛城山・金剛山の山容が、釈迦涅槃像に見えるのは筆者だけでしょうか。あまりの神々しさに、思わず手を合わせたくなってしまいます。
雄大な景色を眺めながら、ゆっくりと体と心を癒してあげてくださいね。
ちなみに、同様の絶景は大神神社の『大美和の杜展望台』からも、望めます。
心地良い空気が流れるその他の見どころ
岡寺拝観時に気を付けたい注意点
写真撮影時に知っておきたいマナー
境内を回ったところ、『撮影禁止』の張り紙が目立ちました。
お寺といえば、基本的にお堂の中以外は、撮影自由なところが多い印象もあるのではないでしょうか。
憶測でしかありませんが、過去に何かあったのかもしれません。
実際、岡寺のホームページにも、ペットの写真撮影について注意書きがありました。
お寺に来られる方が気持ちよく拝観できるよう、マナーを守って撮影を楽しみましょう。
思っていたよりも体力が必要な急坂
犬養万葉記念館近くにある岡寺に向かう道は、電動自転車ですら登れないほど急勾配です。
万葉文化館から行くルートもありますが、すぐ横を車が走っているのでおすすめできないと、レンタサイクル受付の方に言われました。
体調が良ければ、バス停から徒歩で行くのも良いかもしれません。
ですが、体力に自信のない時は、無理をせず自家用車かタクシーの使用をおすすめします。
まとめ
岡寺の見どころについて五つご紹介しました。
岡寺は困難が続いたり、先が不安だったりする人ほど救済してくれるお寺です。
観音さまはもちろん、花や緑や景色が心を癒してくれます。
苦しい時ほどそのようなものに出会うと、フッと心が軽くなりますよね。心が楽になると物事が良い方向に進みだすかもしれません。
そして、そんな心に厄はとりつかないでしょう。ありのままの自分でいられる穏やかな心こそが、究極の厄除けかもしれませんね。
岡寺で厄を除け、どうかあなたが穏やかな日々をすごせますように。
西国第七番 岡寺
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