悩み事や不安がある時に、自然溢れる場所やどこか懐かしさを感じるところに行って、心を落ち着けられたら良いですよね。
今回はそんな心情の時に訪れたいお寺、奈良県奈良市にある東大寺二月堂について簡単にご紹介します。
二月堂は、どこかノスタルジックな気持ちにさせてくれる雰囲気があるお堂です。
思わず手を合わせたくなる絶景や、心穏やかになるご本尊など見どころがたくさんあります。
知る人ぞ知る静かな癒しスポットで、心を癒してくださいね。
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行法のためだけに造られた!?二月堂の歴史と様子
ご本尊:十一面観音(絶対秘仏)
創建年:天平勝宝4年(752)
創建者:東大寺開山者、良弁僧正の高弟・実忠和尚
ご本尊の十一面観音は大観音と小観音の二体あり、どちらも僧侶すらお姿を拝見できない絶対秘仏です。
かつては拝観できたのか、鎌倉時代の図像抄には観音像が描かれています。
二月堂創建年は、あの有名な奈良の大仏開眼と同じ年です。元々は修二会(しゅにえ)という法会をすることが目的で、そのために二月堂が造られました。
有名なお水取りは、修二会の行法のひとつです。
東大寺といえば大仏を思い浮かべる人が多いせいか、外国人を含め、ほとんどの方は大仏殿に行ってしまいます。
二月堂は拝観料が無料であるにもかかわらず、昼間でも人混みが気になるほど混雑にはなりません(修学旅行生は除く)
そのため、落ち着いてゆっくり拝観される方が多い印象を受けました。
その代わりといっては何ですが、冬は寒さが厳しい場所でもありますので、防寒対策はお忘れなく・・。
心なしか奈良公園よりも、このあたりにいる鹿の方が大人しいような気がしてしまいました(笑)子連れの鹿が多くて、とにかくかわいい!
東大寺の見どころやお水取りの様子を、より深く知りたい方におすすめです。ダイナミックで美しい写真に引き込まれます。↓
厳選!二月堂の見どころ
奈良時代にタイムスリップしたかのようなお堂
東大寺の門をくぐって二月堂参詣道に入り、そこからお堂までなだらかな坂道を登って行きます。
少し距離はありますが、緑も多い上にそれなりに運動にもなるので、ストレス解消にも良いですよ。
階段を上がって左斜面に見えてくるのが、二月堂になります。京都・清水寺と同じ懸造りの建造物で、斜面上に水平になるように建てられているのが特徴です。
二月堂では、お堂をぐるりと取り囲むように、東西南北に別々の仏さまが安置されています。
まるで奈良時代にタイムスリップしたかのような、郷愁が漂っている見どころです。風格あるお堂は、どこか懐かしさを感じさせつつも、かっこよく輝いていました。
あまりの心地よさに、人によっては時間を忘れてずっとここにたくなってしまうかもしれません。
お堂とあわせて押さえておきたい見どころ!良弁杉
二月堂のすぐそばに、ひときわ存在感を放つ杉の巨木が立っています。「良弁杉」と呼ばれるこの杉は、現在三代目で台風襲来で倒れた二代目の枝の取り木が育ったものです。
良弁とは東大寺初代管長の名前。良弁が生き別れになった母と、30年ぶりにこの杉の木の下で再会するという逸話から名前が付けられました。
逆光になっていて、写真が見づらくてすみません。
実際には、大きな杉の後ろから朝日が輝いていて、まるで天まで届きそうな光景が広がっています。神秘的で、とても美しい杉ですよ。
隠れた見どころ!お堂裏の仏さま
二月堂東面、正面からみて裏に当たる場所にも、小さな仏さまが安置されています。残念ながら撮影が禁止されていたので、写真はお堂の廊下から撮ったものです。
大抵の人は二月堂正面にいらっしゃる観音様に手を合わせるので、ここに来られる方は少ない印象を受けます。中には、存在すら知らなもいらっしゃるかもしれません。
蝋燭の明かりだけが内部を照らしており、まるでお浄土の世界を見ているような感覚を覚えます。
静寂に包まれた、心が安らぐ見どころです。
感じ方は人それぞれですが、私は亡くなった身内に会えたかのような気持ちになれました。
絶対外せない見どころ!お堂からの癒しの絶景
二月堂といえば、お堂から見渡せる絶景が素晴らしいと聞いた覚えはありませんか。感動するほど美しい風景だったので、私のブログでも紹介しますね(笑)
大仏殿はもちろん、西大寺や平城京跡、遠くには生駒山を望める癒しの見どころです。
思わず手を合わせたくなってしまうほどの景色が広がっており、自然にありがたい気持ちが溢れてきます。
絶景が眺められるベンチに座って、みなさん穏やかなひとときを過ごしていらっしゃいました。
この場所での三脚の使用は禁止されていますので、ご注意ください。
姿は見えなくても心穏やかになるご本尊
二月堂の正面に安置されているのが、ご本尊・十一面観音様です。秘仏ですので、そのお姿を見ることはできませんが、小部屋に上がってすぐ近くまで寄って拝観ができます。
ご本尊は大観音と小観音の二躰あり、このうち実忠和尚が苦難の末に出会えた小観音は、今も発見当時と同じぬくもりが感じられるそうです。
姿形は見えないのですが、手を合わせると不思議と心が平らになり、穏やかな気持ちになれます。
ぜひ、小部屋に上がってすぐ近くで拝観してみてください。
小部屋の外から手を合わせる人が多かったのですが、近くに行くと感じ方もかわってくるかもしれませんよ。
知る人ぞ知るおすすめの見どころ!二月堂裏参道
二月堂に向かうには、大仏殿の裏を通る「裏参道」と呼ばれる道もあります。
石畳と土塀に囲まれたこの道は、まるで奈良時代の風景をそのまま残しているかのようであり、密かに人気を集めている場所です。
懐かしい記憶が心を包み込むような、ノスタルジックな気分に浸れます。過去のぬくもりを思い出すと、心が癒されて気持ちも落ち着くかもしれません。
ひとつ気になった点があります。道は石畳な上、階段には手すりがありません。車いすの方に、この景観の素晴らしさは感じて貰えないなと思いました。
将来的に、景観を損なわない形でバリアフリー化になれば良いですよね。
二月堂といえば修二会!
二月堂の名前の由来は、大規模な法会である修二会が、旧暦二月に行われたところから来ています。
修二会は、二月堂最大の見どころといっても良いかもしれません。
この法要は、十一面観音様に対して、人々に代わって懺悔の行を勤めるものです。実忠和尚が笠置山で菩薩の行法を見て、二月堂に移したものとされており、創建以来一度も休むことなく行われています。
最も人気があるのは、深夜に閼伽井屋に行って香水を汲み上げる行(お水取り)と、3月12日の籠松明ではないでしょうか。
修二会は、期間が定められているため普段は見られないのですが、休憩所に詳しい説明が書かれていました。
近くで見ると、籠松明はとても大きく重そうです。お水取りに関するビデオも流されており、イメージが掴めると思いますので、ぜひこの場所にも足を運んでみてください。
休憩所ではお茶が用意されているほか、お寺にまつわるさまざまな絵画も飾られていました。手洗い処は、とても懐かしい香りがしますよね。
修二会日程 3月1日~3月14日
お松明 3月1日から3月14日
お水取り 3月12日深夜~3月13日未明
籠松明 3月12日
歴史ある二月堂境内社と境内の見どころ
閼伽井屋
お水取りの名前の由来にもなった、重要な建物です。この場所にある「若狭井」と呼ばれる井戸から神聖な水を汲み上げます。
こぢんまりとしてしますが、二月堂でもひときわ神聖な雰囲気を放つ場所です。
受納所横にある手水舎の水は飲用可能です。とても美味しいお水で、心身共にリフレッシュできます。
南門右手にある龍王の滝。
滝に祀られているのは不明動王です。
すぐ目の前まで行ったら、床の石がグラッ!っとして思わず「わあっ!」と叫んでしまいました。
拝観の際は足元にお気を付けください。
ありがたい意味が込められた御朱印
二月堂では、現在二種類の御朱印がいただけます。一枚300円。
一つ目は、南無観と書かれた御朱印です。南無観の観とは観音様を指し、南無は一生懸命信じるという意味を持っています。
南無観と一心に唱えると、観音様が心に現れてくれるかもしれません。とても心が安らぐ、ありがたい言葉ですね。
二つ目は、二月堂の御詠歌です。
『ありがたやふしぎは一か二月堂 わかさの水をむかえたもふぞ』
御朱印や各種お守り等は、本堂右側の授与所でいただけます。
まとめ
東大寺二月堂の見どころについて、簡単にご紹介しました。
東大寺二月堂は、悠久の歴史を持ちながらも、ひっそりとした佇まいがすてきな穴場スポットです。
お堂からの絶景など、お水取り以外にも見どころがたくさんある上、人も少なくて郷愁を感じられます。
二月堂に続く坂道も、適度な運動になってリラックス効果が期待できるかもしれません。
どこか懐かしさを感じる場所に行って、悩みや不安を解消し、疲れた心を癒してみませんか。
2021年NHK BSプレミアムで放送。修二会についてより詳しく知りたい方は、こちらのBlu-rayがおすすめです。儀式のすべてが記録されています↓
千三百年祈り続ける ~お水取り・東大寺修二会東大寺二月堂
住所:630-8587 奈良県奈良市雑司町406-1
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