奈良県奈良市にある大安寺は、ガン封じで有名なお寺として知られています。
その理由は、かつて大安寺は国家の官寺で、国の安泰と人々の安寧、病を封じる祈りの場でもあったからです。特に現代においては、無病の最もたるものである癌を封じる寺として認識されています。
境内の雰囲気や安置されている仏像には癒しの力があり、訪れる者の心を和ませてくれます。今回は、そんな大安寺について紹介いたしましょう。
大安寺で見つける癒しの力。会社員から僧になった河野裕韶師が贈る大安寺の日常↓。
かつては広大な敷地を有していた奈良・大安寺由緒
創建年 639年
創建者 舒明天皇
ご本尊 十一面観音立像(秘仏)
ご利益 ガン封じ・病気平癒など
宗派 高野山 真言宗
歴史
元は聖徳太子が平群の地に「熊凝精舎」を建て、国の大寺となすように遺言を残しました。その遺志を受け継いだ舒明天皇が建立したのが、わが国最初の官寺「百済大寺」です。
その後、飛鳥・藤原京にて「高市大寺」、さらには「大官大寺」と姿を変え、飛鳥時代の中心寺院となっていきます。
平安遷都に伴い、大官大寺は現在の地に遷されて大安寺となったのです。(当時は、25万平方mの広大な敷地を有していたとされる。)
その後、大安寺は興福寺に支配されたり、幾度となく火災や地震にあったりなど災難に見舞われてしまいます。しかし、今日でも奈良時代の貴重な御仏9体が伝えられており、すべてが重要文化財です。
また、最澄や空海など、数々の名僧も大安寺に居住して、六宗を兼学しました。
癒しの十一面観音が安置されている本堂
ご本尊・・十一面観音(天平時代・重文)
お堂の中は、線香の匂いが漂っていて、それだけでも心身が落ち着くのが感じられます。ご祈祷中は本堂に入れませんが、それ以外の時間帯でしたら拝観可能です。
本堂には、ご本尊の十一面観音が安置されていますが、秘仏となっており、普段はお姿を拝見できません。
しかし、ご本尊の前で手を合わせると、肩に入っていた力が抜けたような気がしてリラックスできました。
医学的なことはわかりませんが、心身をリラックスさせるのは、病に対してとても大事なことではないでしょうか。ガン封じのみならず、日々の疲れを感じている方にも、一度は訪れてほしい場所だなと感じます。
また、大安寺のお坊さんは、優しくて思慮深い方が多い印象です。
以前、お寺で子供たち向けに寺子屋を開いていた時に、大人の私にまで参加賞として、お坊さんが飴をくれた思い出があります。受付の方も低姿勢で、安心して話しかけられる雰囲気ですよ。
温かいオーラで迎え入れてくれる?!讃仰殿(宝物館)
宝物殿は、第一室と第二室に分かれています。
第一室は、大安寺の歴史にまつわるビデオが流され、パネルが展示してある部屋です。さらに、その奥には、不空羂索観世音菩薩像などの仏像が並んだ部屋があります。
中央・・・不空羂索観世音菩薩像(天平時代・重文)
右側・・・楊柳観音立像(天平時代・重文)
左側・・・聖観音立像(天平時代・重文)
脇侍・・・持国天王像・増長天王像・広目天王像・多聞天王像(いずれも天平時代・重文)
この中で、女性的で優しい印象を持つ楊柳観音立像が、病気を治す仏様といわれています。
この日、とても体調が悪かったのですが、仏像はそんな私を温かく迎え入れてくれているかのようでした。
全体として非常に優しいオーラを放っており、仏像が見守ってくれているような気持ちになります。
体調不良の時こそ、こうやって落ち着くことって大事ですよね。拝観するだけでも、充分心身に良い影響を与えてくれそうな、神秘的な空間が広がっています。
さらに第二室に展示されているのは、大安寺式軒瓦などの貴重な資料です。
この部屋のおすすめは、バーチャルの世界で古い大安寺を散策できるコーナーではないでしょうか。
昔の大安寺は、相当広大な敷地を持っていたのは資料でもわかりますが、いまいちイメージが沸きにくいですよね。
このバーチャル空間を歩けば、どれほどの大きさなのかを体感できてわかりやすいかと思います。
かわいいだるまや竹の匂いが心地よい!大安寺の境内
小子坊
写経や阿字観瞑想の道場となります。
嘶堂
天平秘仏・馬頭観音(重文)がまつられているお堂です。
馬頭観音は、苦悩を除き福を招くとされています。
インド八大聖地・四国八十八か所お砂踏霊場
護摩堂
毎月縁日になると、護摩祈祷や法要が行われています。
御竹地蔵尊
供養塔
大安寺歴代先師の供養塔
稚児大師像
弘法大師七才像
境内に置かれてある、かわいいだるまみくじです。
境内を散策した後は、ゆっくりベンチで休憩してはいかがでしょうか。天気の良い日は気持ちがいいです。
竹の香りが心地良い小径・いのちの小径。
小径の中にあるいのちの碑
小径の中にある美流孔塚・乳癌治癒の記念塚
よく見ると確かに乳房の形をしています。
手水舎
センサーに反応して水が出るタイプです。ここにもたくさんのだるまさんが・・・!
大安寺から150メートルほど南に行った所にある、大安寺塔跡です。
大安寺の鎮守社として創建された元石清水八幡宮は、大安寺から南に100mほど行った先にあります。緑に囲まれた、閑静な神社です。
種類が豊富な奈良・大安寺の授与品
御朱印は通常、「南無佛」と書かれた寺印が授与されています。
ほかにも御朱印がありますが、こちらは八十八面観音巡礼など、巡礼にまわられている方のみが対象です。詳しくはホームページをご覧ください。
こちらは大安寺のお守りや数珠、お札などです。もちろん、癌封じ関連のものも販売されています。
ほかにもTシャツや折り畳み傘、大安寺関連の書籍などもあり、授与品の数は豊富です。特に折り畳み傘は、七重塔をモチーフとした、古風でおしゃれな色合いをしています。
このサイトに挙げている御朱印や授与品は、あくまでも一例です。
御朱印や授与品は更新される可能性があります。参考として閲覧いただければ幸いです。
まとめ
大安寺を訪れることは、心身の癒しを求める人々にとってすてきな体験となるでしょう。
境内の雰囲気や仏像からは、癒しの力が溢れ出ています。その力がガン封じに対してもプラスの効果をもたらすかもしれません。
ぜひ一度、大安寺に足を運んでみてはいかがでしょうか。
主な行事
光仁会 癌封じ笹酒祭り | 1月23日 | 光仁天皇の御忌法要。癌などの悪病を封じて息災に過ごすために行われるお祭り |
正御影供 | 4月21日 | 弘法大師の報恩法要 |
竹供養・癌封じ笹酒夏祭り | 6月23日 | 古来より、人々の暮らしに多大な恩恵を与えてきた竹に感謝し供養するお祭り |
開山・道慈律師忌 | 11月2日 | 道慈律師の御忌法要 |
南都七大寺 大安寺
住所 奈良市大安寺2-18-1
TEL 0742-61-6312 FAX 0742-61-0473
MAIL info@daianji.or.jp
公式ホームページ https://www.daianji.or.jp/
公式インスタグラム https://www.instagram.com/nantodaianji_yusho/
公式facebook https://www.facebook.com/nantodaianji/
拝観時間 午前9時~午後5時(受付は午後4時まで)
御祈祷・御回向受付時間 午前9時~午後3時30分
いずれも年中無休(但し12月31日は迎春準備のため休み)
拝観料(本堂・宝物殿)大人・大学生 600円 高校生以下 300円
事前拝観割引券あり※詳しくは公式ホームページ参照 https://www.daianji.or.jp/guide/
アクセス
公共交通機関でのアクセス
JR奈良駅・近鉄奈良駅より大安寺行・シャープ前行・白土町行バス乗車 大安寺バス停下車徒歩10分
→下車後 進行方向へ南進 大安寺南交差点を右折し直進
車(大型バス以外)
国道24号線柏木町交差点よりまたは、県道754号線(旧24号線)大安寺南交差点より
駐車場あり
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