【蓮華王院・三十三間堂】千体の観音像が放つ慈悲の世界とは?

京都編
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京都市東山区にある蓮華王院・三十三間堂。

本堂は、千体の観音像が放つ慈悲の心が漂っており、絶対的な安堵感が感じられる空間です。

観音像は、訪れる者の心を見透かし、底から救ってくださるかのようなお力をもっています。

今回は、精神的な安定をもたらす蓮華王院・三十三間堂の魅力に迫ります。

仏像、伽藍、行事など、蓮華王院の拝観のポイントをまとめた一冊。より知識を深めたい方におすすめです↓
隔週刊 古寺行こう(7) 蓮華王院 三十三間堂

あの秀吉も目を付けた!蓮華王院の由緒

創建年 1164(長寛2年)
勅願 後白河法皇
建立者 平清盛
宗派 天台宗

蓮華王院(国宝)とは、蓮の花の王の寺という意味です。
南北に118.2mあるお堂内の内陣の間数が、33あることに由来して、三十三間堂といわれてきました。

鳥辺山麓(現・阿弥陀ヶ峰)の後白河上皇・院政庁「法住寺殿」の一画に、武家貴族であった平清盛が造進したものです。
1249(建長1年)、京都の大火により全焼しましたが、すぐに後嵯峨上皇によって再建されました。
その後も幾度となく修理され、700年余り保存されている建物です。

太閤塀

1586(天正14年)、勢力を天下に誇示するため、豊臣秀吉はこの地に目をつけ、北の方角に方広寺大仏殿を造りました。
境内には蓮華王院も取り込み、その際に増築されたものが、南大門(重要文化財)、太閤塀(重要文化財)です。



南北に長い重厚感がある本堂

本堂(国宝)
建築様式 和様単層本瓦葺き・入母屋造り
大きさ 南北118.2m  幅16.4m

どっしりとしていて、歴史の深さを感じさせてくれるお堂です。南北に細長いため、堂内を往復するだけでもそれなりに運動になるかと思います。

堂内には仏像はもちろん、裏側にもさまざまな資料が展示されていますので、見ごたえは十分です。

以下は、堂内にある仏像の簡単な配置図となります。

また、お堂の外を歩く際ですが、端っこまで結構な距離があり、ついつい足を止めてしまいがちです。

南側には太閤塀があり、見落としがちだとパンフレットにも書かれていますが、見事に私は見忘れてしまいました(笑)。歴史的にも貴重な建造物ですので、見落とさないように気を付けてください。

まるでお浄土に来たかのような1001体の千手観音

千手観音立像 {国宝 平成30年(2018)指定}
正式名称 十一面千手千眼観世音菩薩
造像時期 124体・・平安時代 その他・・鎌倉時代に再興
製作者 慶派・院派・円派など

千手観音の千とは、「無量・無数」を表しており、万人を観察して手を差し伸べて、救済するという意味があります。

パンフレットより

両脇にそれぞれ500体と、ご本尊の後ろに一体安置されています。堂内に入った瞬間、千手観音立像仏像の数の多さに圧倒されるでしょう。まさに荘厳です。

この空間に一歩足を踏み入れると、何か大きなものに守られているような、不思議な安堵感に包まれます。

なぜかすべてがうまくいく、大丈夫だという安心感を得られます。

これこそが千手観音のお力かもしれませんね。

優しいオーラを放つご本尊・千手観音座像

千手観音座像(国宝)
像高 355cm
技法 寄木内刳造り
製作者 大仏師湛慶と小仏師康清
造像年 建長3年(1251) 

ご本尊は、お堂の真ん中あたりに安置されています。

この日はお坊さんがお経を唱えており、皆さんも手を合わせられていました。

とても大らかな優しいオーラを放つ、癒しのご本尊です。

私にとっては、迷いも苦悩もすべてを包み込んでくださるような存在で、まるでお浄土に来たような不思議な体験ができました。

勇ましい雄姿!雷神・風神

雷神・風神像(国宝)
像高 風神123cm 雷神・・125cm
造像時期 鎌倉時代
五穀豊穣をもたらす神

お堂の両端に安置されているのは、風神と雷神です。力強さと躍動感が際立ち、堂内でもひときわ存在感を放っています。

見た目は少し怖い顔をしていますが、観音様をしっかりとお守りしているようにも感じられる不思議な像です。

古代人の自然や天候に対する畏敬の念が、空想的存在である二神を生み出したといわれています。

ご本尊をしっかりとお守りする二十八部衆像

二十八部衆像(国宝)
技法 寄木造り
製作者 大仏師湛慶率いる慶派仏師
造像時期 鎌倉時代

千手観音とご本尊をお守りするように安置されているのが、二十八部衆像です。

ご本尊の周りに四体と、手前に24体います。おすすめの仏像は、婆藪仙像でしょうか。

痩せた体でありながらも、どこかしっかりとした意志が感じられる名作です。

仏像一つずつに細かな説明が書かれていますので、読みながら見て回る人もいれば、一体ずつ手を合わせている方もいらっしゃいました。

庭園を散策しよう!蓮華王院の境内

境内には庭園と遊歩道があります。

仏像を見た後にこの場所を歩くと、まるで極楽浄土に来たような穏やかな気持ちになることもできますのでおすすめです。

写真を撮ったりゆっくりと散策されなかったり、思い思いに皆さん行動されていました。

夜泣泉
ここから湧き出す水の音が、すすり泣きに似ていることから、夜泣泉といわれるようになった場所です。
いつからかお地蔵さまが奉られ、前掛けを子どもの枕に敷けば夜泣きが治るともいわれています。
私は耳があまり良くないせいもあって、残念ながら水の音は聞こえませんでした。

法然塔(写真左)
鎌倉時代
法然上人が、「六時礼賛」という法要を修したことを記念する碑です。

パンフレットより

南大門(重要文化財)
大仏殿方広寺の南門として、秀吉が造営した門です。慶長5年(1600)の作といわれています。

鐘楼

境内社としては、ほかにも久勢稲荷大明神が祭られていました。遊歩道もそうですが、境内の端まで歩いている人は、本当に少ない印象ですね。

蓮華王院の御朱印とおすすめの授与品

御朱印は本堂真ん中あたりでいただけます。一枚300円です。

左側にあるのは蓮華王院オリジナルの御朱印帳で、一冊1000円とリーズナブル!

ほかにも、お札やお守りなどたくさんの授与品が販売されていました。

個人的におすすめの品が、蓮華王院特製・三角ようじです。お寺とどんな関係があるのか不思議に思いましたが、お土産にすると面白い一品ですよね。

200円と、リーズナブルな価格になっています。

このサイトに挙げている御朱印や授与品は、あくまでも一例です。
御朱印や授与品は更新される可能性があります。参考として閲覧いただければ幸いです。

まとめ

三十三間堂は、まさに生きながらにして仏様の世界に足を踏み入れたかのような体験ができる、神秘と安らぎの空間です。

この場所は、心の安定と平穏を求める者にとって「光」となるでしょう。

あなたも、ぜひ観音様の慈悲の心に触れる旅に出かけてみませんか?

主な行事

毎年1月中旬楊枝のお加持と弓道大会
3月3日春桃会

蓮華王院 三十三間堂
住所 〒605-0941 京都市東山区三十三間堂廻り町657
TEL 075-(561)-0467
公式ホームページ https://www.sanjusangendo.jp/
公式インスタグラム https://www.instagram.com/sanjusangendo_temple/?hl=ja
定休日 無休

アクセス
JR京都駅より市バス206208系統 約15分 京都国立博物館南側
京阪電車「七条駅」2番出口より徒歩約7分
駐車場・・あり(無料)50台

拝観時間
4月1日~11月15日 8時30分~17時
11月16日~3月31日  9時~16時 受付終了は各30分前

拝観料
一般 600円 団体料金 550円
中高生 400円 団体料金 350円
小学生 300円 団体料金 250円
※障がい者割引あり



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