奈良県奈良市にある崇道天皇社は、その華やかで美しい御朱印が注目を集めています。
しかし、この神社の魅力は御朱印の美しさだけではありません。その歴史的な背景にも、注目すべき点があります。
御祭神である早良親王は、暗殺の疑念を持たれ、幽閉される道中で亡くなった人物です。その後、都に災いが相次ぎ、早良親王を祀る神社として崇道天皇社が設立されました。
今回は、崇道天皇社の御朱印はもちろん、早良親王や神社について詳しく探っていきましょう。
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種類が豊富で華麗な崇道天皇社の御朱印
崇道天皇社でいただける、通常の御朱印は現在3種類あります。
御神紋である、十六菊のお印が押された御朱印は初穂料500円。伝統的で格式のある印象を与えるデザインですね。
こちらは、御祭神である早良親王の御朱印です。初穂料は500円。
南都とは、かつて京都の北都に対して呼ばれた、奈良の別名です。
神祇歌「千代萬浄猶行末も君が代を かきはにまもれ紀寺大神」 楠木正忠(楠木正成の子孫)
神祇歌(じんぎか)とは、主に祭典や神事の際に、神社で奉納される歌です。初穂料500円。
つづいては、月ごとに授与される限定御朱印です。季節や風物詩にちなんだ、風情ある御朱印がいただけます。
上は九月の御朱印です。かわいらしいピンクのウサギが描かれています。初穂料は500円。
こちらは、限定御朱印の彼岸会と重陽の節句。
重陽の節句とは、毎年9月9日に行われている行事で、無病息災や子孫繁栄を願う宴のことです。重陽の節句の花である菊が、御朱印にも描かれています。初穂料は1,000円。
十月限定の御朱印「十三夜」と「秋祭り」です。
紅葉を連想させる、温かみのあるオレンジ色に癒されますね。
春夏秋冬それぞれの季節をイメージした、華やかな切り絵御朱印もありました。1枚1,000円。
秋の御朱印は、「崇道天皇社」と「神人和楽」の二種類です。
鮮やかに色づいたイチョウや紅葉が、温かみを感じさせてくれます。部屋に飾っておくと、心が穏やかになって落ち着きそうですね。
最後は、ならまちにある御霊神社とのコラボ御朱印です。1社につき、1,500円。
崇道天皇社のものは、一間社春日造の本殿が描かれています。
こちらは、二社の御朱印を合わせてひとつになるタイプです。ぜひ、この機会に御霊神社にも足を運んでみてはいかがでしょうか。
このサイトに挙げている月替わり御朱印は、あくまで一例です。
御朱印は、月ごとに更新されています。
最新の御朱印情報は、崇道天皇社のホームページをご覧ください。
尚、郵送での授与も可能とのことです。
あわせて頂きたい!御朱印帳やその他の授与品
御朱印帳は、3種類あります。
小 幅約12㎝、高さ約18㎝ 1冊2,000円
大 幅約24㎝、高さ約18㎝ 1冊3,500円
また受付には、さまざまな護符やお守り、そしてオリジナルTシャツもありました。
おすすめは『菊御守』です。こちらは2021年の火災で、被害を受けた本殿の焼け逃れた檜皮が入っています。
たまたま居合わせた宮司さんが、必死で消火活動をしたおかげで、大規模な損害に至らずに済んだそうです。もしかしたら、神様が宮司さんを呼んでくださったのかもしれませんね。
春日移しとしては、最古の建物である本殿の檜皮であり、大変貴重なお守りです。
早良親王の御霊を鎮める神社!崇道天皇社の由緒
創建年 大同元年(806年)
勅命 平城天皇
御祭神 早良親王
ご利益 疫病退散・健康長寿・家運隆盛など
歴史
光仁天皇の皇子・早良親王は、11歳で出家し、21歳で高僧になられた方です。
その後、光仁天皇の勧めによって、皇太弟となります。
延暦4年(785)九月、桓武天皇は都の遷都を計画し、藤原種継を長岡宮使に任命。
しかし、種継が射殺され、この事件に関連して、早良親王に対する疑惑が浮上しました。
早良親王は、流刑より淡路島に向かいましたが、その道中に死去。
早良親王死後、都ではさまざまな災いが起こり、これらは親王の怒りと信じられ、鎮魂の儀式が行われました。
最終的に早良親王を崇道天皇と追尊し、その霊を紀寺の里に祀ったのです。
拝殿と本殿
御本殿(重要文化財)
建築年代
安土桃山時代(1573~1614)
春日大社の摂社である、若宮神社の御本殿として建立されたもの
建築様式
・一間社春日造(柱間が一間で春日造りであるもの)
・檜皮葺(檜の皮を使って屋根を葺くこと)
移建年
元和9年(1623) 若宮神社より移建
現存する春日移しでは最古の建物
残念ながら、ご本殿そのものは拝殿側からは見られません。(もしかしたら、別の場所から見られるスポットがあるのかも?!)
ただ、神秘的な雰囲気は拝殿前でも感じられます。
私の場合は拝殿に手を合わせると、今持っている悩みがフッと軽くなったような気がしました。
とても近くに幹線道路が通っているとは思えません。境内全体が神聖な空気に包まれていて、穏やかで安らいだ気持ちになれます。
その他の境内社や神聖な境内の様子
祓戸社
御祭神 瀬織津姫神・速開都姫神・気吹戸主神・速佐須良姫神
身を清めるためのお社です
天満宮
御祭神 菅原道真
ご利益 学問・芸能・諸道
稲荷社
御祭神 宇迦之御魂命
ご利益 出世・引導・家内安全・五穀豊穣・商売繁盛
境内社は、全部で3社あります。春日大社と同じ朱色のお社が印象的です。
学問の神様で有名な菅原道真公のお社と稲荷神社は、さまざまなご利益があります。忘れずに手を合わせておきたいですね。
まとめ
奈良県奈良市に鎮座する、崇道天皇社についてご紹介いたしました。
崇道天皇社は華麗な御朱印とともに、御祭神・早良親王が持つ神聖な雰囲気に魅了される場所です。
その由緒や歴史的な背景を知ることで、より一層、神社の魅力に気付けるでしょう。
ぜひ、崇道天皇社を訪れてみてくださいね。
崇道天皇社
住所 〒630-8307 奈良県奈良市西紀寺町40番地
TEL・FAX:0742-23-3416
開門時間 午前7時~午後4時30分
閉門日 月曜(変動あり)
社務所受付時間 午前9時~午後4時30分
バス 市内循環バス外回り「紀寺町」下車 徒歩1分
駐車場 あり
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