「大切な人を守りたい。」そんな風に思う時ってありますよねしかし、守るためにはどんな力が必要か、自分自身がどのように成長すべきなのか悩んでしまうこともあるでしょう。
そんな時は、奈良県奈良市にある新薬師寺を訪れてみてはいかがでしょうか。
新薬師寺にはさまざまな見どころがあり、特に十二神将と呼ばれる神秘的な仏像は、常に邪悪な者から薬師如来を守っています。
厳しくて力強さがありつつも、内に秘めた優しさを感じる十二神将は、愛する人々を守るために必要な力を持つ者の象徴のようです。同時に自分自身を守り、大切にすることの重要さにも気づかせてくれるでしょう。
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隔週刊 古寺行こう(17) 新 薬師寺 2022年 10/25 号 [雑誌] 雑誌 – 2022/10/11
- 天平時代にタイムスリップしたかのようなお寺!新薬師寺の由緒
- おすすめの見どころ!神々しいオーラを放つ圧巻の十二神将
- 戌年の守り神・伐折羅(※ばさら)大将
- 未年の守り神・頞儞羅(あにら)大将
- 辰年の守り神・波夷羅(はいら)大将
- 子年の守り神・毘羯羅(ぴぎゃら)大将
- 卯年の守り神・摩虎羅 (まこら)大将
- 亥年の守り神・宮毘羅(くびら)大将
- 丑年の守り神・招杜羅 (しょうとら)大将
- 寅年の守り神・真達羅(しんだら)大将
- 午年の守り神・珊底羅(さんてら)大将
- 酉年の守り神・迷企羅 (めいきら)大将
- 申年の守り神・安底羅 (あんでら)大将
- 巳年の守り神・因達羅(いんだら)大将
天平時代にタイムスリップしたかのようなお寺!新薬師寺の由緒
創建年 天平19年(747)
創建者 光明皇后
ご利益 眼病・病気平癒
宗派 華厳宗
由緒
光明皇后が、夫・聖武天皇の病気平癒祈願のために創建したお寺です。(※光明皇后は、法華寺創建や興福寺五重塔の発願にも力を注がれた、天平時代の重要人物。)
当時は七佛薬師金堂、壇院、薬師悔過所などが境内に立ち並んだ、非常に見応えのあるお寺でした。その後、落雷や火災などの被害に合い、建物の多くを失ってしまいます。
現存する本堂と十二神将は奈良時代、薬師如来坐像は奈良時代もしくは平安時代初期のものです。
休日だったせいか、男性一人で拝観している方が多い印象を受けました。中には、十二神将の格好良さに惹かれて来られた方もいらっしゃるかもしれませんね。
お地蔵堂や石仏群など見どころがたくさんあり、まるで天平時代にタイムスリップしたかのような情景が広がっているお寺です。
観光地から少し離れた場所にあるため、休日でもさほど混み合いません。日によるかもしれませんが、心静かに過ごしたい人にとっては拝観しやすい雰囲気ですね。
東大寺や春日大社など周辺には歴史ある寺社がいっぱいの奈良!旅のお供には、こちらのガイドブックがおすすめです↓
るるぶ奈良’25 (るるぶ情報版) ムック – 2024/1/10おすすめの見どころ!神々しいオーラを放つ圧巻の十二神将
十二神将立像
造像時期 奈良時代(8世紀)
仏師 不明
手法 木の骨組みに縄を巻き付けて、そこに藁を混ぜた粘土を塗ったものを土台としています。眼球は、ガラスの吹き玉で再現。
由来
悟りを開こうとする薬師如来とそれを信仰する人々をお守りする、いわば護衛のような存在です。
戦いの相手は『煩悩』。
1体につき7000人の部下を従えているといわれています。
12体である理由は、薬師如来が立てた十二の誓願に基づいているためであり、このことから薬師如来の分身ともわれています。また、それぞれの方角を守っているため、干支の守護神ともいわれている像です。
宮毘羅大将像以外の11体が国宝に指定されています。
薬師如来 十二の誓願
・光明普照・随意成弁・施無尽物
・安立大乗・具戒清浄・諸根具足
・除病安楽・転女得仏・安立正見
・苦悩解脱・飽食安楽・美衣満足
厳格な佇まいがある一方で、優しさや独自性も感じられる見ごたえたっぷりの像です。
一見同じように見えますが、実は個性豊かで異なる特徴を持っており、見る者に強烈なインパクトを与えてくれます。
以下では、各十二神将の見どころについて詳しく紹介します。(※感想はあくまでも筆者の個人的なものです。また、堂内は撮影が禁止されていましたので、ポストカードの写真を使用しています。)
戌年の守り神・伐折羅(※ばさら)大将
怒りの感情をむき出しにした恐ろしい形相に、思わず足がすくんでしまいます。
迫力がある表情とは対照的な、洗練された左手の動きにも注目して欲しいです。
伐折羅大将は切手にもなっていますので、ご存じの方も多いのではないでしょうか。
(※は読み方)
未年の守り神・頞儞羅(あにら)大将
弓を持たず、矢だけを見つめている頞儞羅大将。
伸ばした右手のなめらかさが魅力的です。
ユニークな表情の中に溢れる優しさに、ほんの少し癒しを感じます。
辰年の守り神・波夷羅(はいら)大将
目の表現が力強い波夷羅大将。
ただ立ってこちらを見据えているだけなのに、一切の隙を感じません。
静かな佇まいの中に潜む、力強いエネルギーを感じます。
子年の守り神・毘羯羅(ぴぎゃら)大将
三鈷杵と呼ばれる古代インドの武器を片手に持っています。
一見穏やかでユニークにも感じられる表情の奥には、戦いに対する決意と強さが隠れているようです。
毘羯羅大将の中にある、秘められた勇気が伝わってきます。
卯年の守り神・摩虎羅 (まこら)大将
右手に斧を持っている摩虎羅大将。
じっとこちらを見据えている目は、まるで見る者の内面まで透視しているかのようです。
神秘的な存在ではありますが、私個人としては、ある意味一番怖い大将だなと感じてしまいました。
亥年の守り神・宮毘羅(くびら)大将
鋭い目と手に持つ剣から、いつでも戦闘に臨めるような姿勢が感じられました。
まるでこちらを見据えて、隙あらば攻撃してくるかのような不安と緊張感を覚える大将です。
丑年の守り神・招杜羅 (しょうとら)大将
うつむき加減のたたずまいで、一見静けさを感じる大将です。
しかしその奥には、いざという時に驚きの力を発揮するような、不思議なパワーが秘められているようにも感じます。
寅年の守り神・真達羅(しんだら)大将
大将の中でも印象に残るような、かっこいい構えをしていますね。
緊張感が解けそうですが、一瞬でも油断すれば、すかさず隙を突いてくるかのような怖さもありました。
美しさと緊迫感のバランスが絶妙です。
午年の守り神・珊底羅(さんてら)大将
戟と呼ばれる矛を持っている珊底羅大将。
戟を持って見下ろす姿勢と全体のバランスの美しさに感動します。
控えめながらも存在感を放っている、影の立役者のような大将でした。
酉年の守り神・迷企羅 (めいきら)大将
威嚇するような武器を持たないにもかかわらず、表情とポーズだけで怒りを見事に伝えていますね。
その表現力には、ただただ驚かされるばかりです。
美しい容貌から伝わる怒りは、まるで無言の叫びのようにも感じられました。
申年の守り神・安底羅 (あんでら)大将
宝鎚を持つ安底羅大将は、一見優しい印象を受けますが、その内に秘めたパワーが感じられます。
優しさと力強さが見事に調和した存在で、必要な時には強大なパワーを発揮しそうですね。
想像力を掻き立てられました。
巳年の守り神・因達羅(いんだら)大将
珊底羅大将と同じく戟を持っています。
いつでもこちらを見張っているかのようなお姿です。
その威厳ある態度から、まるで悪事を諌めるようなメッセージが伝わってくるような気がしました。
本当の強さとはどのようなもので、守るとは何かといった深い哲学を考えさせてくれるのが、神将の魅力ではないでしょうか。
見る者の心を揺さぶる、洗練された素晴らしい像でした。見ごたえは十分あります!
新薬師寺最大の見どころ!御本尊・薬師如来坐像
国宝 薬師如来坐像
像高 191センチメートル
造像時期 奈良時代~平安時代初期
病気を癒す仏さまです。人によって癒される場所は違うと思いますが、私の場合は心が穏やかになりました。少し疲れていたのかもしれません(笑)
手を合わせると、亡くなった親しい人たちに会ったかのような感覚に包まれました。とても不思議な気持ちでした。
故人と心の奥深くで繋がっていると思えると、気持ちが穏やかになり安心しました。
さて、薬師如来は常にこうして誰か癒し守られています。それができるのも、薬師如来を守る十二神将がいてくれるからではないでしょうか。
誰かを守るためには、まずは自分自身を邪悪なものから守り、大切にすること。それができて初めてパワーを発揮出来るのかもしれませんね。
優しい雰囲気に包まれたその他の見どころ
池の橋を渡った所にある香薬師堂です。
私が訪れた時には、お堂の中からお経を読む声が聞こえてきました。
地蔵菩薩立像2体(重要文化財)が安置されていますが、特別拝観時のみの公開です。
庫裏では、新薬師寺にまつわるビデオが流されていました。
「誰が造ったのかはわからないが、1200年前、確かに十二神将を造った者がいた。そして、それを守り続けてきた人もいる。私たちはこの像を守り続ける義務がある」と、関係者の方がおっしゃっていたのが印象的でした。
神将には、さまざまな人間の「想い」がこもっているのかもしれませんね。
まとめ
奈良県奈良市にある、新薬師寺の見どころについて紹介しました。
十二神将を通じて学べるものは、大切な人々を守るために必要な力強さ、決断力、そして内に秘めた優しさです。
また、薬師如来が持つ癒しの力は、自分を大切にし、内面から強くなることの重要性を教えてくれます。
守る力の源は愛であり、己の成長とともに育まれるものではないでしょうか。
あなたも新薬師寺に行って愛を探求し、幸せに満ちた未来を歩みませんか。
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華厳宗 日輪山 新薬師寺
〒630-8301 奈良県奈良市高畑町1352
電話:(0742)22-3736
FAX:(0742)26-1517
拝観時間 09:00~17:00
個人
大人・大学生…600円 高校生・中学生…350円 小学生150円
団体割引(30名以上)
大人・大学生…550円 高校生・中学生…300円 小学生…120円