なぜ真のパワースポットほど静けさを纏っているのか 等彌神社のご由緒や見どころ5選

奈良編
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「一般に知られていないような、本物のパワースポットに参拝したい」

神社好きな方なら、一度はそんな場所に行きたいと思ったことはありませんか。そんな方に、今回は奈良県桜井市にある等彌神社をご紹介します。

こちらは、日本で初めて大嘗祭が行われた場所です。境内に入ると明らかに外界とは違う空気が漂っており、まさに真のパワースポットと呼ぶにふさわしい神社でしょう。

権威やパワーに包まれている場所にもかかわらず、目立った宣伝はしていません。本物はそれだけで魅力があり、人々の口コミや体験談によって自然に噂が広がります。

ありのままの自然を大切にした境内や、本物に惹かれた人だけが集まっており、それこそが静寂に包まれている理由でしょう

今回は、等彌神社のご由緒や境内の見どころを五つご紹介します。

知る人ぞ知る真のパワースポットで、身も心も癒されてくださいね。



大和國桜井の里 等彌神社

ご由緒

鳥見山西麓に鎮座する等彌神社の歴史は古く、十世紀前半に制定された「延喜式」の神名帳にはすでに記載がありました。全国的に崇敬されている、県下有数の古社であり名社です。1112年の山崩れにより、鳥見山山中にあった神社は現在の位置に遷されています。

標高245メートルの聖地・鳥見山で、橿原神宮にて即位された初代・天武天皇が霊畤 (まつりにわ)を置かれました。大和平定と建国の大孝を申べ給うたこの儀式が、日本最初の大嘗祭です。

記憶に新しいところでは、平成から令和へ改元された際に行われた大嘗祭でしょうか。

大嘗祭|平成から令和へ 新時代の幕開け|NHK NEWS WEB
「大嘗祭(だいじょうさい)」は毎年11月に国と国民の安寧や五穀豊穣を祈って行われる宮中祭祀(きゅうちゅうさいし)「新嘗祭(にいなめさい)」を即位後、初めて大規模に行うもので、皇位継承に伴う一世に一度の重要な儀式とされています。

ご利益は、国家安寧や五穀豊穣、厄除けや勝負運、学業成就です。

この後、何枚も境内の写真が出てくるのですが、何故かすべてにモヤがかかっています。この日は朝から快晴でした。偶然かもしれませんが、何か神気を感じさせるような、そんな画像にも見えます。

歳時

毎年5月13日に営まれているのが、『鳥見山山中霊畤春季大祭』です。「天武天皇聖蹟顕鳥見山中霊畤彰碑」に参った後、拝所に登ります。

その他におすすめしたいのが、11月20日~26日に開催される献灯祭です。境内のモミジが一週間だけライトアップされ、献灯された約550個のぼんぼりが幻想的な雰囲気を醸し出します。

写真は、紅葉名所を紹介するサイトからの引用です。

モミジの美しさはもちろん、

影になった石灯籠にも心惹かれますね。

walkerplus 紅葉名所2022 https://koyo.walkerplus.com/detail/ar0729e417126/image4.html  

境内

入り口付近

入り口そばにある立て札と石柱。冒頭の写真にある一の鳥居は、平成27年に伊勢神宮より拝受されたものです。すぐ目の前は道路ですので、写真を撮る際はお気をつけください。

一の鳥居をくぐった瞬間、明らかに外界とは違う厳かな空気に包まれていました。

それまで持っていた不安な心がなくなり、何かに守られているような不思議な安らぎを感じました。神気に満ち、静寂に包まれた境内は、まさに本物と呼ぶにふさわしいパワースポットでしょう。

入口左側にある社務所。大正15年に建設され、現在は全国崇敬者の本部が併設されています。

気さくに挨拶してくださる男性と、神社についてねると、笑顔で話す受付の女性の方が印象に残りました。

ご家族で神社を守られているのでしょうか。とても話しやすい方々でした。

入り口右側にあった、信楽焼のタヌキ像です。元々は本町通の陶器店店頭にあったもの。陶器店へ移転に伴い、この地に移設されました。

見守り②気配り③笑顔④徳を持つ⑤信用⑥金運⑦末広がり⑧冷静、大胆の八つ縁起があるタヌキ像です。夫婦円満の象徴でもあるので、ご利益にあずかりたい方は隣の子宝石と合わせて参拝されてはいかがでしょうか。

小さな石碑やお社が多い神社なので、

見落とさないように気をつけましょう。

手水舎と亀の形をした蛇口です。

等彌神社の狛犬は、一般的なものと比べて、平べったい顔をしています。立派な胴体とは対照的な愛らしい顔立ちですね。

社務所裏にある桃神池と、手水舎裏にある友情句歌碑

等彌神社内には、数多くの万葉歌碑や句碑が建てられています。写真は昭和を代表する作家・佐藤春夫と詩人堀口大学の句歌碑で、他にもさまざまな歌碑が境内に並んでいます。

万葉びとの心に触れながら参拝していると、その時代にタイムスリップしたような気持ちになれますよ。(古い字体なので、石碑の字はかなり読みにくいですが)




二の鳥居内

二の鳥居に鎮座されているのは、上津尾社社殿(上社)と下津神社(下社)と、八社の境内社、桜井靖国神社です。

一の鳥居付近と違って、ここから一気に樹木が増え、辺りが薄暗くなります。

鳥居をくぐるとすぐに石燈籠が目に飛び込んできます。境内に並立しており、その数160余基。

昭和55年、伊勢市にある猿田彦神社から勧請されたものが、現在の等彌神社に鎮座されています。

休日の朝早くはひっそりとしており、ゆっくり参拝したい方におすすめの時間帯ですが、注意していただきたい点が一つあります。

人気がなく自然の多い場所には、当然多くの虫が生息しています。筆者が愛宕社を参拝しようと鈴緒を持った際、大きな蛾がブーン・・!!

さぞかし、蛾もびっくりしたことでしょう。虫が苦手な方は、虫よけスプレーを持参してくださいね。

下津神社と恵比寿社

下津神社右殿・・八幡社。御祭神は磐余明神(神武天皇)、品陀和気命

下津神社左殿・・春日社。御祭神は、高皇産霊神、天児屋根命

1112年の鳥見山西麓山崩れによって、下津神社は現在の場所に遷座。神事は下津神社を中心に行われていましたが、1875年の社殿改修ごろ、上津神社に移ったと考えられています。

1736年、この敷地内で発見されたのが八咫烏の立像です。現在、ご神体として本殿に収められていますが、レプリカが社務所に飾ってあります。

呼吸がしやすくて心地の良い、清々しい場所でした。

下津神社の写真は、今回の撮った中でも一番モヤがかかっているように感じます。くどいようですが、この日は朝から晴天でした。モヤは単なる太陽光でしょうか。

真相は、ぜひ現地で確かめてみてください。

上津神社と弓張社

上津神社・・御祭神は大日霊貴命(天照大御神)

元々、鳥見山山中にあった社殿ですが、1112年に今の場所に遷されました。現在の神事の中心です。右側には神撰所と参集殿があります。

桜井護国神社は、桜井市より出征、戦歿された1860数柱のご英霊が奉斎されています。

見どころ

夫婦杉 

二の鳥居をくぐってしばらくすると、左側に立派な二本の杉が立ち並んでいます。見上げると首が痛くなるほど、空高くどこまでも伸びていそうな杉の木です。

仲睦まじく並んでいるその姿から夫婦杉と呼ばれ、夫婦円満や縁結びのご利益あるとされています。

下津神社と並んで、境内にあるおすすめのパワースポットです。時間が経つのを忘れるほど、見入ってしまいます。入り口の夫婦円満たぬき像と一緒に参拝すれば、ご利益も二倍になるかもしれません。

美しい苔

境内のいたるところに美しい苔が生えています。

フワッフワの絨毯を触っているような、気持ちの良い苔でした。程よい明るさと湿度がある境内だからこそ、こんなに見事な苔が生えるのでしょうね。

ゴミはもちろん、境内の落ち葉もきれいに掃除してありました。神社の方が丁寧に管理されているのでしょう。

鳥見山

かつて登彌神社が鎮座していた場所であり、日本国建国の聖地といえる鳥見山。標高245mのなだらかな山容で、途中には霊畤拝所や箱庭、白庭が建立されています。四季折々の自然ゆっくりと満喫できる散策路です。

「時々、私も登っていますよ」と社務所の方も言っておられました。

時間がなくて筆者は断念しましたが、登彌神社にお参りに来たならぜひ登っておきたい山ですね。

桃神池

池に映る逆さ紅葉が有名な、桃神池です。御祭神は意富加牟豆美命(おほかむづみのみこと)。古事記にも記述がある桃には不思議な霊気が宿っているとされており、邪気や厄を取り払う象徴でした。

有名な女王・卑弥呼も祭祀で使用していたと考えられています。

大量の桃の種が出土して話題になった場所が、同じ桜井市内にある邪馬台国最有力候補地、纏向遺跡です。

以前、市立埋蔵文化財センターにて出土した桃の種が展示されていました。興味のある方はそちらにも足を運ばれてはいかがでしょうか(現在も展示中かどうかは、センターへご確認ください)

社務所裏にあるこぢんまりとした一角なので、初めて行かれる方は見落とされるかもしれません。

それにしても狛犬の前掛け、かわいいですね。ここは他のお社とは違って、柔らかく優しい雰囲気を放っていました。

授与品

社務所には熊野国から大和国へ、天武天皇を道案内したとされている神聖な生き物、八咫烏のレプリカや授与品が並んでいます。

神社の由緒書きは1枚100円ですが、他の授与品や御朱印をいただいた場合は無料です。(2023年5月現在)

筆者は、知り合いの方が作ってくださったという手作りの八咫烏人形と、まだ持っている人が少ない交通安全守を授かりました。

袋のイラストもデザイナーさんが描いてくれたものです。

八咫烏のレプリカは、見た目よりもずっしりとしていました。

御朱印はアマビエスタンプ入り。素敵な御朱印をいただくと、気分も上がりますね。

まとめ

神社の由緒や見どころについて紹介しました。

等彌神社は、風音や鳥たちの鳴き声など、ありのままの自然を大切にしている神域です。

本物の自然環境は私たちの心にも静寂をもたらし、安らぎを与えてくれます。

決して多くを宣伝しない姿勢は、参拝者に特別感を与えてくれ、より神秘的で深い体験を感じさせてくれるでしょう。

大和國桜井の里 等彌神社
〒633-0091 奈良県桜井市大字桜井1176
Tel/Fax0744-42-3377